遠笛

左官−挾土秀平のブログ
俺流ワインチョイス



今年、5月14日。


いろんな意味で、
目の肥えた人達をもてなす機会があった。

しっかり会費をいただいた上で、宴はおまかせ致します

そう言われて、
こちらもしっかり準備を整えて迎えることとなった。

場所は去年自宅に作った【黒◼︎の間】
あるインテリアマガジンで【破格の座敷】と題された
月の土壁のある座敷に招き
黒いガラステーブルをおいて、
職業も年齢もまったく違う、個性豊かな8人が席についた。


その夜のもてなしを催すにあたり
やはり食事が一番
飛騨の地の素材を使った手料理を用意する。


とても貴重な濃厚な梅酒を
3センチ四角のヒノキの升に、ザラメの氷を入れて食前酒とする

そして小瓶のビール、

その後、
アッサリした飲み口でいて、
しっかり味わいある冷酒を振る舞う。



さすがの8人は、
皆、知識豊かで、食通で、
どんな話題にも程よいユーモアを忘れない。

と、この宴が

このような雰囲気になることは大筋読めていた。



それで、自分が困っていたのは
ここから先のワインであった。



正直、ワインがわからない俺。



一口、二口含んで、フルーティなものは美味しいが、
そのうち直ぐに飽きが来る

ワインを含んで解るのは、
辛い、渋い、重いのそんな程度で
日本酒やウイスキー、ブランデーのように
微妙な味覚の好き嫌いの域に、まったく無いのである。



いつだったか、
フランスを旅したときの
シャブリで試飲した味のピンキリは
さすがにハッキリその差を感じたものだったが

イランシーというワイナリーの赤ワインを
美味しく飲んだ事も忘れられないが
今や具体な味の記憶はない。



さて、
どんなワインが良いものか
どうしたものか、と悩んでいると

地元の街外れに
とても良いソムリエがいるとの事で行ってみた。



若い店主は、
ワインを仕事知識で説明しているというより、
心からワイン好きが伝わってきて
どれを手にとっても
そのワインの言葉に溢れていた。


それに一貫している説明は、

地質から葡萄を
ワインを語っていることだった。


『はい、私は大学時代に地質学を専攻していましたので』と言う。


そんな店主の話を
しばらく聞きいているうちに
ハッと浮かんだ、俺流ワインのチョイスの流儀。


こんどは
『じゃあ、こういうのないのかなあ』と
こちらも目的が生まれて選んでいった。



そんな 5点のうち4点を紹介したい。


※2014 Chablis (白)
※2013 ブルゴーニュ・ルージュ シャントレーヴ(赤)
※2013・ニアシュタイナー・
ヒッピング シュペトレーゼ ファインヘルプ 639 ブラックラベル (赤)
※オーストラリア2012、ブラウフレンキッシュ・サバリー(赤)




一通りの食事が終わり
それぞれゆったり、くつろいだ時が流れ
そろそろ、ワインの出しごろである。


さて、
この用意したワインを順に紹介しながら、
自分の説明を付け加えてみた・・・・



では皆さん、本日のワインになります。




2014 Chablis (白)

これはジュラ紀・1億5470万年前の
サンゴやアンモナイト、カキなどの化石を含んだ
石灰岩と粘土からなる土壌の葡萄です
ミネラルたっぷりでシャープ。
シャブリの産するワインは味と価格を大きく左右します。

この石灰岩を一度焼いて精製し
真っ白な石灰の粉にします、
そこに麻の繊維と海藻ノリを混ぜ合わせて練ったもの
これが我々の使う漆喰になるのです。
シャブリの白と漆喰の白、土蔵や城の白
それらは皆、石灰で繋がっています。
もしかするとシャブリ石灰で作った漆喰は
香りや味に比例した上品な漆喰が出来るのかもしれません。






2013 ブルゴーニュ・ルージュ シャントレーヴ(赤)

これは、ブルゴーニュ地方で唯一の土壌、
花崗岩が風化した砂質土壌の畑で育つ葡萄です

醸造家は日本人女性で、ピュアで透明感があり
凝縮感があって重くないと言うことです。

それで、
この花崗岩が風化した土は、
土と言っても、砂や砂利がほとんどを占めていて
我々はこれをサバ土・真砂土と呼んでいます
これに石灰を混ぜて、微妙な水塩梅で叩き絞めると
古い旧家の玄関などに見られる、土間の三和土(タタキ)と言って
爪も立たない土の床が出来上がります。

高山の重要文化財・吉島家の土間三和土は
およそ100年たった今も、創建当初のまま
現在も使われいますので、またお立ち寄りください。



次に




2013・ニアシュタイナー・
ヒッピング シュペトレーゼ ファインヘルプ 639 ブラックラベル (赤)

ラインヘッセン地方は
総栽培面積26,600ヘクタールにおよぶ
ドイツ最大のワイン生産地で
その中のニアシュタイン村は、赤い土壌と白い土壌に別れています。

今回はその赤い土壌
(ラインヘッセンの赤底統(セキテイトウ)と呼ばれる)のワインで、弱酸性。
赤土のワインは、とても味がにぎやかで、色が濃くなるそうです。

赤と言えば、今年は何と言っても
大河ドラマ真田丸の赤備えでしょう
その題字タイトルは私が担当したのですが
飛騨にも見事な赤土があり、その赤土を塗ってすぐ
コテでえぐって描いたもの。
そんな赤土の色濃い赤ワインです。



最後に

オーストラリア2012
ブラウフレンキッシュ・サバリー (赤)

鉄分を多く含むと言われる、緑色スレートの礫が表土を覆う
アイゼンベルグの丘陵、南西向きの斜面で育った葡萄です。
緻密なタンニンが引き締まってエレガントなワインです。


数年前、NHKBSプレミアム【旅のちから】
と言う番組でキプロスに行ったことがあります。
その目的は天然緑土を探す、と言うものでしたが

その旅で分かってきたのは、
天然の緑の顔料が古今東西
どれだけ希少で貴重な、憧れであったかを知りました。
ギリシャ正教のイコン画は
この緑土に白ワインと卵黄を混ぜて
筆で何度も何度も重ねて描かれています。

オーストラリアの緑色スレートは
おそらく顔料にはならないと思いますが
緑色スレートの大地が産んだ赤ワインは
キリストの血か?
と、思わず手にとってしまいました。



な〜るほど・・・・と、
ほどよく酔った8人は、
こんな角度からのワインのチョイスは、はじめてだよ


フムフム・・・・・フム


これは愉快、愉快と、
その夜の話題は絶えることがなかった。



俺流の、ワインチョイスの流儀・・・成功。


















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