遠笛

左官−挾土秀平のブログ
灰色の光




白から銀へ、白銀へ
銀は黒へ、銀黒へ。



バスの重いタイヤが
微かな光を巻き上げて氷点下を走り抜ける・・・
そんな灰色の風景を旅したことを思い出す。


銀黒から灰へ、灰青へ。
吹き抜けてゆく微かな光
乗り込んだバスの薄ら青い灰色の窓には
霞んだ稜線と針葉樹林が
寡黙な現象として流れていた。


薄ら青い灰色の窓を
生でも死でもないどこかへ
バスが吸い込まれていくかのように眺めていた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






2日前の朝

粉雪に覆われた外は
厳しい真冬の世界に様変わりしていた。

きしみあう氷点下の粉雪に立ち合うとき
あの時と同じ匂いが蘇る。

光と風と雪は
溶け合うことなく絡み合い
あの時と同じ、乾いた音が聴こえてくる。



粉雪は
ガラスの粉のように
踏みしめた靴跡が、その場で崩れ霞んでゆく
春夏秋冬と違う、空白の領域を感じるとき

あの、どこまでも続いた
灰色の光の
氷点下のバスの余韻が
今も途切れず
自分に続いていることに気づかされる。



白から銀へ、白銀へ
銀は黒へ、銀黒へ、
銀黒から灰へ、灰青へ。

その光景は、
生でも死でもない季節のイメージを描かせて描けず
ただ薄ら青さに引きこまれて立ち尽くす。


その描けないイメージが年々深くなっているのは
巻き上げる灰色の光が命から離れたものに見えるのは


来る春を
心待ちにするようになっているからだろうか

春が来るごとに
切ないほど美しく感じるようになっているからだろうか。










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