遠笛

左官−挾土秀平のブログ
7分の1の奇跡




前回のブログに続き、
また具体的には書けないが・・・・


その出来事は
追い込まれた者として、


夢への鍵となりうる
一筋の光を導いてくれるものだった。

どうしても手に入れたいもの。


思いは15年前に始まって、
10年前には、体を張った因縁もあった
情けないほど頭を下げたことも
恥も外聞も捨てて、もがいたこともあった。

人間不信になる程のいきさつの数々。


その末に、
どうしても手に入れたいものは

人手に渡って遠ざかり
お金や話し合いで解決できず
あきらめざるを得なく、あきらめていた。



この始まりから
今日までの紆余曲折を知っている者は
自分だけになっていた。



それが一ヶ月前
手に入れるチャンスが公式に訪れたのである。


しかしそのチャンスは
事情も交渉することも、競う場もない
公募後の抽選という形で突然公表されたのだ。


身体中が高揚して
芥川龍之介の《蜘蛛の糸》ではないけれど
自分だけが手に入れたくて
他にぶら下がる何者も振り落としてしまいたい

そんな気持ちとは裏腹に
一ヶ月間は、
抽選という非情と無情に怯える毎日を過ごしていた。



抽選日の前前日
応募者が8人いることを知り
夜、眠れなくなって酒を煽り
あのピアノ、フォルテシモを聴いていた。

前日の日曜日は
頼る場所を探して
人けのない父方と母方の墓に行く。


山の裾野にある墓に行って
線香も持たず墓の前にしばらく立って
地に膝を着いて
台座の石に額をつけて、長く話した。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


抽選の日。


一番に室内に入り
どんな結果になろうと
振り向かないと決めて最前列に座る。

定刻間際に、これを取り仕切る人達のあいだで
8人目の誰かが
不参加になったのがわかった。



それでは、
まず抽選順を決める為の
抽選を行いたいと思います。

それでは応募順から
引いて頂きたいと思います。


まず自分が
7つある封筒の中のひとつを選ぶ、一瞬ふたつに迷ったが
いちばん上の封筒を取った。



では、1番の方から名前をお願いします。

自分の順番は


・・・・7番だった・・・・



そして、抽選。



自分が最後の封筒を取って席に着いて
それでは開封してくだい
当選者の方は、お名前をお願いします。


自分の後ろにいる6人が
封筒を開き終わった気配を感じたあと、
少し間をおいて自らの封筒を開いた。



この手の中にあった【当選】の文字。



では、当選者の方のみ残っていただきまして
後は、退室して頂きますようお願いします。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



7分の1の奇跡。


当選のあと、そのまま走って墓石に
あの日曜より長く額をあてた。


後にも先にもこの一回、
この一回限りの丁半博打。
それは1対1でも固唾を飲む


あれから4日が経ったが
まだ身体が固唾を飲んでいる。

興奮がいまだ冷めやらない。
一ヶ月の非情と無情がまだ抜けない。


しかし。

しかし
ただの偶然にしても
それは一瞬の偶然であったにしても
ただ、それだけではない
偶然という事実が起きたこと。



これからの
なにかの力を直感する。

それを信じる。


重なり合った偶然に、俺は未来を見る。










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